▶会報2023-1 61号 ユリカモメ号

【ユリカモメ(百合鴎) 学名:Chroicocephalus ridibundus】
冬に河口、海岸、池等で普通に見られる小型のカモメ。日本へ渡来する小型カモメのほぼ全てが本種。冬羽は白い体に薄い灰色の翼、嘴と足は赤色で、4月頃に生え変わる夏羽では、頭部が真っ黒になる。若い個体は嘴と足の色が淡く、1年目の冬羽では橙色、2年目の冬羽では橙色味が強い赤色になる。1年目の冬羽には、尾羽根の縁に黒い帯がある。小魚や甲殻類を主食とし、水中の魚の群れに頭から飛び込んで捕まえる。群れで漁船に付いて飛び、漁のおこぼれを狙う事もよくある。「ギャー、ギャー」と大きな声で鳴く。

侍従川流域では、毎年11月頃から3月頃にかけて、野島公園周辺と平潟湾に数十個体が渡来する。餌を求めて下流域へ入ることもあり、汐見橋周辺で度々観察される。日本には極東ロシアで繁殖する亜種𝘴𝘪𝘣𝘪𝘳𝘪𝘤𝘶𝘴が冬鳥として渡来する。西ヨーロッパから中央アジアで繁殖する、亜種𝘳𝘪𝘥𝘪𝘣𝘶𝘯𝘥𝘶𝘴も、稀に観察される。こちらは小柄な体型や短い嘴、頭部の換羽が早い事等で識別できる。-深沢大地

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