▶会報2023-4 64号 カントウカンアオイ号
カントウカンアオイ(関東寒葵) 学名:Asarum nipponicum
関東地方中部から静岡県にかけて分布している常緑性の多年草で、薄暗く湿度のやや高い林庄を好む。神奈川県に自生するのは本種と、タマノカンアオイ、ランヨウアオイの3種だが、三浦半島では本種しか自生していない。本種は特異な生態を持っており、秋から冬にかけて地面すれすれに花を咲かすため落ち葉などが被って見えないことが多いが、ダンゴムシやヤスデ、トビムシなどの土壌生物によって花粉を媒介すると考えられている。また、茎や根にはコショウのような芳香があり、本種がコショウ目に分類されていることを物語っている。(五月女陽斗)
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