▶会報2024-1 65号 シュンラン号
シュンラン(春蘭) 学名:Cymbidium goeringii
北海道から九州にかけて広く分布している地性ランである。葉は直線的で地表から直接生え、細かい鋸歯がある。茎は偽球茎(バルブ)になる。部分的菌従属性植物であり、光合成のほかに外生菌根菌と腐生菌から有機物を摂取する。侍従川流域にも尾根や斜面に自生し、冬季は明るく夏季には薄暗いような落葉広葉樹などがモザイク状に広がる里山林を好む。一昔前の山野草ブームによる大量盗掘や管理されない里山が増加し、森林が荒廃したことによって全国的に数を減らしている。西日本の田園地帯の斜面に自生していることもあるが、神奈川県では見られなくなってしまった。花期は2月下旬から4月中旬で、花は山菜として食用にもなる。(五月女陽斗)
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